令和2年度施政方針

 本日ここに、令和2年3月河北町議会定例会を開会し、令和2年度一般会計及び特別会計予算案をはじめ、関係諸議案のご審議をお願いするに当たり、私の町政運営に対する基本方針と新年度の主な施策の大要を申し上げ、議員各位並びに町民の皆様のご理解とより一層のご協力を賜りたいと存じます。

 私は、昨年1月の河北町長選挙に立候補し、町民各位の信任をうけ2月5日に就任以来、1年1か月を経過いたしました。この間、まちづくりの基本を「動く つながる 夢叶う」として、「子どもに夢を」、「若者に自信を」、「みんなに元気を」との思いを込め、次の3つの柱を据えて町政運営に取り組んでまいりました。その柱が、高速交通網との近さを活かして、人を呼び込み、企業を呼び込み、賑わいと交流を創出する「ゲートウェイタウン構想」、人づくりと農・商・工・観光や文化・スポーツの垣根を越えた仕事おこしを支援し、食と文化・観光を起点として産業振興を図る「やる気で稼ぐ人づくり、仕事おこし」、そして町内各層の連携協力によるオールかほくの子育て支援、要支援者に寄り添った福祉サービスの提供、町民・地域に寄り添った防災・減災や生活環境の安全を確保する「互助共助の住みよいまちづくり」であります。この1年間の議員各位そして町民の皆様のご支援とご協力に、感謝を申し上げるものであります。

 本年は、夏季大会としては日本で2回目となる、東京オリンピックと東京パラリンピックが開催される年であります。開催に先駆けて、6月7日には聖火ランナーが河北町内を駆け抜けます。また、8月14日にはパラリンピックの採火式が河北町内でも行われることになっております。ここ河北町からも、両大会における日本選手の健闘を祈り、河北の子どもたちの記憶に残る大会となるよう盛り上げていきたいと考えております。また、大会期間中は、世界各国から多くの方が、東京のみならず全国各地を訪れることになります。日本全体が、元気になる起爆材となることを念願するものであります。

 さて、我が国の人口は、令和2年1月1日現在、1億2,602万人となり、昨年同期から1年間で約30万人減少しました。山形県全体では約107万5千人と、同じく約1万3千人減少しております。本町の状況をみますと、今年1月末日現在の人口は18,349人であり、1年で285人減少している状況にあります。
 国立社会保障・人口問題研究所の平成30年3月推計の「日本の地域別将来推計人口」によりますと、2040年の推計人口と2015年の人口を比較すると、11の100万人都市のなかでも、増加するとされているのは3団体のみであり、現在20万人を超える市を合わせても26団体に止まると予測されております。一方、現在3万人を超える自治体774のうち、28の団体が40から50%の人口減となり、さらには現在3万人以下の団体908のうち、140の団体が50%を超える減少率となることが予測されております。
 人口減少は、地域経済、行財政はもちろん、地域医療・福祉、教育・地域文化、そして何より地域コミュニティの活力の低下が懸念されますが、こうした現実を直視しながらも、新しい時代に向け、山積する課題に果敢に立ち向かい、多様な価値観を尊重しながら、協力し、支え合うまちづくり、希望をもって次世代につなぐまちづくりに、果敢に取り組んでまいたいと考えております。
 内閣府が2月に公表した月例経済報告における基調判断では、「景気は、輸出が弱含むなかで、製造業を中心に弱さが一段と増しているものの、緩やかに回復している」としております。その先行きについては「当面弱さが残るものの、雇用・所得環境の改善は続くなかで、各種政策の効果もあって、緩やかな回復が続くことが期待される」とするものの、「通商問題を巡る動向等の海外経済の動向や金融資本市場の変動の影響にも留意する必要がある」との判断もしております。加えて、後でも述べますが「新型コロナウィルス感染症が内外に与える影響」は大きな懸念材料であります。

 国は、予算編成において、「引き続き、デフレ脱却に向け、構造改革はもとより、金融政策に成長志向の財政政策を組み合わせ」、「財政健全化への着実な取り組みを進める一方、賃上げの流れと消費拡大の好循環、外需の取り込み、設備投資の拡大を含めた需要拡大に向けた取り組みや、Society5.0時代に向けた人材・技術などへの投資やイノベーションの促進、次世代型行政サービス等の抜本強化といった生産性の向上などに向けた取り組み」を重要な政策課題としました。
地方に向けては「国・地方を通じた厳しい財政状況を見通し、簡素で効率的な行財政運営について、透明性を高め、質の高い公共サービスを効率的・効果的に提供することが必要である」と求めているところであります。一方、地方財政については、人づくり革命の実現や地方創生の推進、地域社会の維持・再生、防災・減災対策に取り組みつつ、安定的な財政運営ができるよう、令和元年度を上回る一般財源総額を確保し、地方交付税においては、仮称・地域社会再生事業費の創設などを行い、令和元年度と比較し、出口ベースで2.5%の伸びとなっております。また、財源不足額を補てんするために自治体が発行する臨時財政対策債については、地方財政を健全化する観点から抑制し、3.6%の減を見込むとしております。しかしながら、依然として臨時財政対策債の発行に頼る状況は続いており、将来にわたって厳しい財政運営を強いられる状況にあることは、十分念頭においていく必要があります。

 地方創生関連では、地方自治体の先進的な事業を支援する地方創生推進交付金は事業の要件を緩和するなど、令和元年度と同規模の1,000億円が計上されたほか、地方への人の流れの強化、地方のしごとづくりと担い手の展開・支援を視点に、予算額を増としております。
山形県においては、第4次山形県総合発展計画を近く策定することとなっており、その基本目標を「人と自然がいきいきと調和し、真の豊かさと幸せを実感できる山形」とし、5つの政策の柱を設けております。令和2年度の当初予算案については、その柱である「時代を担い地域を支える人材の育成・確保」、「競争力ある力強い農林水産業の振興・活性化」、「高い付加価値を創出する産業経済の振興・活性化」、「県民が安全・安心を実感し、総活躍できる社会づくり」、「未来に向けた発展基盤となる県土の整備・活用」を視点とし、引き続き課題となる移住定住の推進、災害への対応、人手不足・担い手不足へも対応し、編成されているところであります。一般会計の予算総額は6,133億6,400万円と、令和元年度と比較して0.04%の増加となり、「新時代を切り開く予算」として、県外からの移住・定住政策に力を入れ、地方と都市部がともに持続可能な社会を構築する必要があるとしております。

 河北町におきましては、令和2年度は、「第7次河北町総合計画」の計画期間の最終年度となります。また、「河北町総合戦略」についても5か年計画の最終年度となります。計画期間中は、人口減少、少子高齢化が想定を超えて加速している状況にありますが、こうした厳しい現状を直視しながらも、将来にわたって持続的に発展できるまちづくり、地域づくりを目指していかなければなりません。

 まちづくりのグランドデザインとなる「第8次河北町総合計画」については、令和元年度におきましては、現計画の基本的な施策の進捗状況を検証し、課題の洗い出しを行ったところであり、鋭意策定作業を進めているところであります。また、町民の皆様のご意見に広く耳を傾けるため、町民アンケートを実施したほか、職員とともに計画の方向性について討議していただく「まちづくり町民会議」を立ち上げ、公募委員も含め32名の委員の方々から忌憚のないご意見をいただいているところであります。さらに、策定の肝ともなる町の人口ビジョンなど客観的なデータも踏まえ、町民の皆様の声をしっかりと受け止め、議員各位のご意見をいただきながら、振興審議会の答申を経て、基本構想の策定、基本計画の策定へと進めてまいります。

 新庁舎建設工事については、杭基礎工事において施工障害が発生したことから工事を休止し、昨年11月、工法を変えて実施するための事業費の増額と、工期を8か月延長し令和3年9月までとする町議会の議決をいただいたところであります。現在、新しい工法による工事が施工されており、着実に進めてまいります。

 県立河北病院につきましては、昨年5月に示された県立河北病院経営健全化計画や山形大学からの医師派遣中止の方針が示されるなど、町民・地域に不安が広がったところですが、河北病院を支援する会など、地域が一体となり地域医療体制の維持を各方面に要請した結果、一部縮少はありましたが、小児科と眼科の存続を得ることができたところであります。また、過日、令和2年度の河北病院の診療体制が示されたところですが、外来診療体制、救急体制は今年度と同じ体制として維持されるとともに、緩和ケア病棟についてもその機能が維持される見通しであります。一方、急性期病棟については、一部地域包括ケア病棟へ移行するとともに、療養環境の改善が図られる予定であります。引き続き、県の動向等を注視しながら、今年度に立ち上げました地域医療と県立河北病院を考える会とも連携し、県立河北病院を中心とした地域医療を守るべく取り組んでまいります。
次に、昨年12月に中華人民共和国で集団発生が確認されたいわゆる新型コロナウィルス感染症につきましては、現在中国本土ほか世界各国に蔓延し、日本においても各地で感染者が拡大し、その感染経路が明確でない事例もあるなど、社会的不安が増大している状況にあります。その影響は各種イベントの開催にまで及ぶなど国民生活に大きな影響をもたらしており、さらには、国内外の企業の生産活動や観光のみならず、世界の経済活動の停滞が憂慮される事態となっております。
現在、町では、河北町新型コロナウィルス感染症対策本部を設置しながら、感染防止と感染拡大の防止、また、地域経済へ影響や国・県の対策、支援などの情報収集に、組織をあげて対応しているところでありますので、議員各位、町民の皆様のご理解、ご協力をよろしくお願い申し上げます。
 
 それでは、令和2年度の町政運営及び予算編成にあたっての所信について申し上げます。
令和2年度に向けましては、まちづくりの基本を「動く つながる 夢叶う」として、河北町で働き、暮らす全ての世代が希望を持ち、安心して暮らせるまちづくり、活力あるまちづくりに取り組むとの決意のもと、引き続き、「ゲートウェイタウン構想」、「やる気で稼ぐ人づくり、仕事おこし」、そして「互助共助の住みよいまちづくり」の3本の柱のもと、町政に邁進する所存であります。

 町の人口は、先ほども申し上げましたとおり、1月末日現在で18,349人であり、昨年同期と比べますと285人、1.52%の減少となっております。平成31年4月から令和2年1月までの町内における出生数は76人、社会増減は28人の減と、人口減に歯止めがかからない状況です。
そのような中で、令和2年度予算編成にあたりましては、次の3点を重要施策として編成いたしました。

 1点目は「災害への備え」であります。令和元年度におきましては、地球全体の気候変動も相まってか、日本でも自然災害が猛威を振るった1年でもありました。6月の豪雨・降雹では、町内でも西里地区において、がけ地の土砂崩落が発生したところであります。同時に農産物についても、降雹により多大な被害を受けております。また、10月に日本列島を縦断した台風19号については、豪雨による河川氾濫、洪水をもたらし、東北地方では福島、宮城両県が特に大きな被害を受け、多くの犠牲者や交通網に被害があったことは記憶に新しいところであります。幸い県内・町内におきましては、結果的に雨量はそれほどではありませんでしたが、洪水や強風による被害も懸念されたため、町内6か所に自主避難所を開設し対応したところであります。さらに、令和元年度は洪水に関するハザードマップを作成し、浸水想定区域や避難経路について周知を図っているところであります。令和2年度におきましては、引き続き、土砂災害に関するハザードマップを作成し、避難・減災に役立ててまいります。また、避難の基本となる情報伝達については、種々ご指摘をいただいている防災行政無線について、放送の伝わり方を検証しながら、運用の検討や機能を補完する方法を検討し、情報伝達手段の複線化に取組んでまいります。また、災害時の要支援者対策として、要支援者施設からの避難について計画策定を支援するなど、実践的かつ実効ある防災・減災対策について取り組んでまいります。

 2点目は「子育て・教育支援の拡充」であります。福祉・医療・教育の各方面から「オールかほくの子育て支援」を支える施策を展開することにより、河北町に愛着と誇りを持ち、将来にわたり河北町とかかわりを持ち続けられる人づくり、人材育成に力を入れていく必要があります。このような観点に立ち、医療については、これまで中学生までとしていた医療費の無償化を高校生まで拡充してまいります。また、学校給食費について、食材費の値上がりにより改定をお願いする予定にしておりますが、全小中学生の学校給食費について、経済的負担の軽減を実施してまいります。さらに、充実した教育を進めるために、小学校の学習指導要領の改訂により教科化される英語について、その指導を充実させるための体制を整備するとともに、各小中学校において、学校と地域が手を携え、地域とともにある学校運営に取り組み、特色ある学校をつくり上げるため、令和3年度から学校運営協議会の導入によるコミュニティ・スクールを目指し、その準備を進めてまいります。また、路線バスの活用と高校へ通学する方の経済的な負担の軽減を図るため、山交路線バスを利用した通学に対し支援をしてまいります。

 3点目は、「『かほく創生』への取り組み」であります。令和元年度におきましても、移住・定住促進、インバウンド、交流拡大といった視点から事業を進めてまいりましたが、令和2年度におきましては、これまでの事業を継続しつつ、新しい視点に立った施策を展開してまいりたいと考えております。
 
 町内産のイタリア野菜の販路として海外へ目を向け、香港でのプロモーションを図ってまいりましたが、令和2年度については、さらに販路拡大の可能性を模索すべく、他のアジア地域についても売り込みを図ってまいります。また、ふるさと応援寄附については、寄附に対する返礼の割合が規制されるなどの影響を受けておりますが、河北町の応援団を増やすためにも、寄附をしていただいた方と町との交流を深め、河北町のファン拡大につながる施策を実施してまいります。かほく発信大使として委嘱申し上げた方々にも、引き続き河北の良さを発信していただくなど、戦略的にかほく発信を行ってまいります。

 道の駅かほくにつきましては、昨年11月に取りまとめていただいた道の駅あり方検討委員会の報告を十分踏まえながら、道の駅再生に向け、できる限り早期に、具体的な方向性と構想・工程をお示しできるよう、調査・検討を進めてまいります。

 さらに、移住・定住政策につきましては、これまでの事業に加え、新たに賃貸住宅への移住者について支援してまいります。また、民間団体との連携により、空き家バンクの登録数を増し、早期の活用に資するべく進めてまいりますとともに、移住体験ツアーや首都圏でのPR活動に活かしながら、定住促進への取組みを強化してまいります。

 河北町商工会によるアンテナショップ「かほくらし」については、開設から1年を経過し、関係者のご努力により認知度も高まり、発信の先導役として期待されております。今年度も実施したショップ周辺でのイベントを継続し、河北町を発信してまいります。 

 さらに、農商工観光の連携による「かほく創生」に向け、牽引役となる地域商社の設立に向けて、地方創生推進交付金を活用しながら支援してまいりたいと考えております。新たな試み・挑戦となる地域商社については、消費者ニーズの高い商品、付加価値の高い商品を見定めたうえで、流通の開拓・商品開発・農産物の生産につなげるべく、第3次産業からのアプローチを起点として、第2次産業、さらに第1次産業へ進める「マーケット・イン」の手法のもと、展開していく構想であると承知しており、今後の展開に期待しているところです。
以上、令和2年度歳入歳出予算案については、一般会計の総額は96億9,400万円で、前年度当初予算に比べ1億3,800万円、1.44%の増となり、昨年度当初に引き続き当初予算としては過去最大の規模となっております。主な歳入歳出予算の状況については、その他の特別会計を含め提案理由で改めてご説明申し上げます。

 以上、令和2年度の町政運営について、所信の一端を申し述べてまいりましたが、町民の皆様並びに議員各位に、より一層のご指導、ご協力を賜りますようお願い申し上げまして、令和2年度における私の施政方針とさせていただきます。

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