令和3年度施政方針

私は、一昨年2月の町長就任以来、2年1か月、任期の半ばを折り返しました。この間、まちづくりの基本を「動く つながる 夢叶う」として、「子どもに夢を」、「若者に自信を」、「みんなに元気を」との思いを込め、「ゲートウェイタウン構想」、「やる気で稼ぐ人づくり、仕事おこし」、そして「互助共助の住みよいまちづくり」の3本を柱として、町政運営に取り組んでまいりました。この間における町民の皆様のご支援とご協力に、感謝を申し上げます。

 さて、令和2年度は、世界中が「新型コロナウイルス感染症に翻弄された年」となり、それに加え、河北町にとっては「7月豪雨での被災、そして復旧、復興へのスタートの年」となりました。

新型コロナウイルス感染症については、現在をもっても、まだ収束が見えない、不透明な状況であります。感染症の拡大による健康被害、医療機関の混乱、逼迫はもとより、その影響は社会活動及び経済活動全般にわたり、人の動きの制限・停滞が長期化し、社会や人々の活力が大きく失われ、閉塞感が世界を覆う状況が続いております。町においても、感染症拡大防止対策をはじめとして、町民生活への支援、産業への支援を行い、全世帯への特別定額給付金、幼児及び小中学校児童生徒の支援対策、疲弊する農業・商工業に対する経済対策など、町民の皆様のご要望や町の実情を踏まえ、数々の事業を実施してまいりました。しかし、いつ、感染症拡大前の姿に回復できるのか、また、ポストコロナという新しい社会がどのように構築されるのか、依然として見通しが立たない状況であります。収束の鍵ともなるべきワクチンについては、ようやく国内でも2月17日から医療関係者からの接種が先行して開始され、回復の契機となることを期待しており、町としても当面する最大のプロジェクトとして取り組んでまいります。

7月豪雨災害からの復旧・復興につきましては、河北町豪雨災害復旧・復興推進本部を設置し、庁内に豪雨災害復旧・復興推進室を置きながら全庁的に進めているところであります。これまで、被災された方の住宅の復旧支援、農地・農業施設・林道並びに町道の復旧を進めているところであり、早期の原状回復を目指してまいります。水害対策として減災・防災の最大の課題であります無堤区間の解消など治水対策については、河川管理者だけでなく、流域のあらゆる関係者が連携して取り組む「流域治水」の考え方により、昨年9月に最上川流域治水協議会が立ち上げられたところであります。1月には最上川中流・上流緊急治水対策プロジェクトが公表され、河北町についても溝延・押切両地区の堤防整備などが、令和11年度までの期間において進められる事業として位置づけられました。この3月には最上川水系流域治水プロジェクトが公表されることとなっており、ハード事業と町が中心となって取り組むソフト事業の両面から防災力の向上を図ってまいります。

 新庁舎整備につきましては、今年9月に建物が完成予定であります。その後、現庁舎からの諸設備の移転、備品の購入・配置を行い、業務に係るシステム・書類などの移動を経て、令和4年1月から新庁舎での業務開始ができるよう進めてまいります。新庁舎の建設にあたっては、「災害に強い庁舎」、「町民にやさしい庁舎」、「効率的な行政運営ができる庁舎」、「環境に配慮した庁舎」の4つを基本方針に据え、進めているところであり、職員一丸となって、新庁舎の機能を十分発揮した町民サービスにつなげてまいります。また、町民の皆様の憩いの場所ともなりうるよう、町民ギャラリーや大屋根などを備えており、この立地を活かし、まちなかの賑わいづくりにつなげていきたいと考えているところであります。

 以上、新型コロナウイルス感染症対策、豪雨災害からの復旧・復興に全力で取り組むとともに、新庁舎の完成・業務の開始を契機に、河北町第8次総合計画の初年度となる令和3年度を新たなまちづくりのスタートの年と位置付け、町政に邁進したいと考えております。

さて、国は令和3年度の予算編成において「感染拡大防止と社会経済活動との両立を図りつつ、ポストコロナの新しい社会の実現を目指し、中長期的な成長力強化の取組を推進する」とし、感染症の拡大防止策とともに「成長力強化のためのデジタル改革・グリーン社会の実現、生産性向上と継続的な賃金底上げによる好循環の実現、安全・安心に向けた子どもを産み育てられる環境づくり、東日本大震災をはじめ各地の災害からの復興や防災力の強化」などを重要課題としました。その上で、「国民の命と暮らしを守る安心と希望のための総合経済対策」に基づき、いわゆる「15か月予算」の考えで新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金を含む、令和2年度第3次補正予算と令和3年度当初予算が一体的に編成されています。

地方に向けては、引き続き「国・地方を通じた厳しい財政状況と税財政制度の対応を見通し、簡素で効率的な行財政運営について透明性を高め、公共サービスの質の向上に努めるなど、質の高い公共サービスを効率的・効果的に提供すること」を求めているところです。

地方財政については、新型コロナウイルス感染症の影響により地方税が大幅な減収となる中で、地方公共団体が行政サービスを安定的に提供しつつ、防災・減災・国土強靭化などの重要課題に取り組めるよう一般財源総額を確保し、地方交付税は令和2年度と比較し、出口ベースで5.1%の伸びとなっております。また、財源不足額を補てんするために発行する臨時財政対策債については、可能な限り抑制としたものの前年度を大きく上回る発行を見込んでおり、依然としてその発行に頼る状況が続き、将来にわたって厳しい財政運営を強いられる状況にあることは、十分念頭におく必要があります。

山形県においては、「人と自然がいきいきと調和し、真の豊かさと幸せを実感できる山形」を基本目標とした第4次山形県総合発展計画の2年目として、施策展開にあたり重視する視点について、「ふるさと山形力の向上」、「やまがた強靭化」、「農林水産業の振興・活性化」、「産業経済の振興・活性化」、「保健・医療・福祉の充実等による安全・安心な社会づくり」をあげ、「『幸せな育ち』・『幸せな暮らし』、『デジタル化で仕事も生活も新しいスタイルへ』、『持続可能な社会を目指す』としています。

その中で、「コロナ克服・山形経済再生、さらに輝かしい山形の未来を創る」として編成した一般会計予算は、予算総額6,823億4,300万円、令和2年度と比較して11.2%の増加となり、「コロナ克服・未来創造予算」を標榜し、ポストコロナを見据え、若者世代の移住・定住の促進、子育て支援の充実に力を注いだものとしております。

それでは、令和3年度の町政運営及び予算編成にあたっての所信について申し上げます。

河北町におきましては、令和3年度は、「第8次河北町総合計画」の計画期間の初年度となります。まちづくりのグランドデザインとなるこの計画については、現計画の基本的な施策の進捗状況の検証、町民アンケートを実施し、「まちづくり町民会議」を立ち上げるなど町民の皆様のご意見に広く耳を傾け策定を進めてきたところであり、その過程においては、町づくりの主な課題・視点を次のように捉えております。

加速化する人口減少に歯止めをかけるためには、「出生率の回復や若年層の地元回帰の促進が不可欠であり、出会いから子育てまでの支援、雇用、定住環境の整備などの継続的な支援」、つながりのある社会の構築については、「地域コミュニティを維持し、地域住民同士のつながりを継続、強化、また、西里、溝延、谷地、北谷地、元泉の地区同士や近隣市町との広域連携による、よりよい住民サービスの提供」、健康的な生活については、「健診や予防接種による予防意識の醸成、地域医療、福祉サービス、介護サービス、生きがいや居場所づくりなど継続的かつ包括的な健康福祉の取組み」、子育て支援と次代を担う子ども達の育成については、「親の身体的及び精神的サポートや育児休暇取得推進など仕事と子育てを両立できる社会環境づくりと、家庭・地域・学校などが連携して子どもたちが豊かな人間性を養い、歴史と文化を継承し子どもたちに想いをつなぐこと」、地域産業の活性化のためには、「農林水産業・工業・商業・観光の連携を強化し、資源の開発掘り起こしを行い、ブランド化・PR戦略により地域産業を活性化すること」、町民の安全・安心を守るためには、「防災体制の強化、地域全体で助け合うための地域力の強化、意識づくり」が、それぞれ必要不可欠であるとしました。

以上の課題に立ち向かうべく、町の将来像を「輝く人・町 夢と未来へ挑戦するまち」と定め、その実現に向け、「つながりを生む住みよい町」、「みんなで支えあう安全・安心な町」、「地域とともに健やかに暮らせる町」、「新たな魅力を発信しにぎわいのある町」、「ふるさとに学び次代につなぐ町」の5つを目標としたところであります。

平成17年の人口は20,000人を超えていましたが、平成27年には19,000人を切り、令和3年1月末日現在の住民基本台帳による人口は17,966人であり、昨年同期と比べますと383人、約2%の減少となっております。さらに、令和2年4月から令和3年1月までの町内における出生数は72人、社会増減は56人の減であり、少子化・人口減は一層深刻な状況が続いております。こうした厳しい現状を直視しながらも、将来にわたって持続的に発展できるまちづくり、地域づくりを目指していかなければなりません。このような観点に立ち、計画の目標年度の令和12年度における将来目標人口を16,600人として、まちづくりを進めていくものであります。町民の皆様には、是非、わがこととしてこの計画を共有していただき、将来像と将来目標人口の実現に共に向かっていただけるよう、切にお願いするものであります。

 その初年度として、令和3年度の予算編成にあたりましては、「災害に強い快適な都市環境づくり」、「オールかほくで応援する子育て支援」、「新たな魅力を発信しにぎわいのあるまちづくり」の3点を重要施策として編成いたしたところであります。

1点目は「災害に強い快適な都市環境づくり」であります。先にも申し上げたとおり、昨年7月26日から降り続いた大雨により、河北町始まって以来の被害をうけるに至りました。その対応を検証し、そこから得られた教訓をこれからの防災・減災対策に活かしてまいります。防災力の強化については、令和2年度に引き続き情報伝達体制の強化などに取り組み、災害時に必要な情報が的確に伝わるよう防災行政無線の機能強化や防災ラジオの整備などに取り組んでまいります。また、平常時の備えや避難の方法など災害時の対応力を高めるため防災専門員を置き、実践的な訓練を通して対応力の向上を図ってまいります。この度の災害時にもご活躍いただいた消防団・水防団については、人口減や昨今の事情を踏まえ定数の見直しを行うとともに、出場に係る手当を引き上げ処遇の改善を図ります。除雪については、昨今その作業にあたる人材が少なくなってきている状況も踏まえ、除雪機械を借上げ、技術講習費用を助成することにより地域における除雪体制づくりを進めてまいります。

2点目は「オールかほくで応援する子育て支援」であります。福祉・医療・教育の各方面において結婚から出産、子育て、教育まで切れ目のない支援を行い、「オールかほく」で支える施策を展開してまいります。結婚して河北町で新しい生活を送る方には、そのスタートを支援してまいります。特定不妊治療については治療費の助成を拡大してまいります。第3子以降の子を持つ世帯については、幼児教育・保育施設での保育料・副食費の負担を軽減してまいります。小中学校については令和2年度整備いたしましたタブレット端末を効果的に活用するため、ICT支援員を設置してまいります。学校・保護者・地域の協働により学校を運営するコミュニティ・スクールを全小中学校に導入し、未来を担う子どもたちに豊かな教育環境を提供してまいります。県立谷地高校については創立100周年を迎えます。その記念事業及び地域に根差した活動に支援してまいります。また、地方バス路線の活用と高校へ通学する方の経済的な負担の軽減を図るため、山交バスを利用した通学に対し支援を継続してまいります。

3点目は、「新たな魅力を発信しにぎわいのあるまちづくり」であります。令和2年度におきましても、移住・定住促進、インバウンド、交流拡大といった視点から事業を進める予定としておりましたが、新型コロナウイルス感染症拡大のため、事業の実施が制約、停滞する状況となっております。人の移動や経済活動が停滞している状況下ではありますが、これまでの事業を継続しつつ、ポストコロナも見据え新しい視点も取り入れながら施策を展開してまいりたいと考えております。

ふるさとづくり寄附金関連事業では、今年度の寄附額が大幅な伸びとなっていることを受け、予算額を拡大したところであり、町内産業の活性化、交流人口の増に役立てたいと考えております。農林業振興については、さくらんぼの新品種であります、やまがた紅王などの生産の支援やグローバル産地づくり推進事業によるかほくイタリア野菜などの販路拡大による6次産業の推進とともに、担い手や新規就農者の育成、支援を進めてまいります。有害鳥獣被害については狩猟免許取得等の経費を助成し捕獲従事者の確保を図ってまいります。商工業においては、コロナ禍にあって疲弊した地元経済に配慮しながら、立ち上がる地域商社の活動を支援し、地域の農商工観光業の活性化に資していきたいと考えております。観光については、紅花資料館に館長・学芸員を配置して展示機能を充実させてまいります。道の駅につきましては、道の駅河北検討委員会の提言をうけて、視察や町議会との意見交換を行いながら運営について検討を進めております。なお、町民の皆様のご理解、ご協力をいただきながら早期に工程を示し、事業化に向けた取り組みを進めてまいりたいと考えております。

新型コロナウイルス感染症対策については、ワクチンの接種について、順次、準備を進めているところであり、当面する最優先課題として位置付け、国・県の情報・動きに十分連動しながら、町医師会とも協調し、町民の皆様が安心して接種を受けていただけるよう進めてまいります。また、県の事業として、県立河北病院内にPCR自主検査センターが開設され、3月下旬から運用が開始されました。ワクチン接種と合わせて町民の皆様の感染症拡大に関する不安を払拭できるよう、受診の支援を進めてまいります。町民の皆様への支援、地域産業への支援については、施設などでの感染拡大防止対策、子育て支援のための給付、小中学校の教育振興、農業・商工業・観光業に対する支援を、実態を踏まえながら、新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金を有効に活用し実施してきたところであります。今般、国の第3次補正予算により、引き続き同様の交付金として給付されることが示されたところであり、現在、令和2年度の交付金を充当した事業の効果の検証と実績報告のとりまとめを進めております。その検証と町民の皆様のご要望や地域経済の現況に呼応し、効果的な施策について時機を逃がさぬよう、機動的に講じてまいります。

以上のことから、令和3年度歳入歳出予算案については、一般会計の総額は111億9千万円で、前年度当初予算に比べ14億9,600万円、15.4%の増となり、当初予算としては初めて100億円を超え、前年度当初に引き続き過去最大の規模となりました。また、執行体制として、防災・危機管理体制の整備・強化と第8次河北町総合計画の推進体制強化を図るため、災害対応・危機管理について指揮系統の体系化・情報集約の一元化を行う部署の再編、企画と財政の一元化及びまちづくりを推進するための部署の新設など、組織機構の改編を行いたいと考えております。

以上、令和3年度の町政運営について、所信の一端を申し述べてまいりましたが、健全な財政運営に十分意を用いながら、山積する課題に果敢に立ち向かってまいりますので、町民の皆様に、より一層のご指導、ご協力を賜りますようお願い申し上げまして、令和3年度における私の施政方針とさせていただきます。

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