溝延地区に伝わる食文化「餅飲み」

溝延地区に伝わる食文化「餅飲み」

『餅は飲み物!』
驚愕の高齢パフォーマンス集団
「溝延一升宝餅保存会」

餅をたくさん食べる人=エライ!

河北町内の溝延(みぞのべ)地区には、古くから「餅を食べる人は粘り強く力持ちで、家、村、ひいては国を宝持ち(=餅)にする」という〝餅哲学”が根付いています。

昔は、3升(≒6kg!?)も食べた人もいるというくらい、「たくさん食べることで一人前」と認められるような風潮があったのです。

さながら「わんこもち」

餅の食べ方についても独自の文化を持ち、まるで盛岡名物わんこそばのごとく、つきたての生餅を付き人から次々とちぎってもらい、ノンストップで飲み干すようなスタイルが貫かれています。

*溝延一升宝餅保存会の皆さん
溝延一升宝餅保存会の皆さん

この誇るべき食文化を守らねば!


この伝統的な食文化を継承しようと、平成2年に地区の餅好きが「溝延一升宝餅保存会」を結成し、以来毎年2~3月頃に開催される総会で餅飲みを披露(?)しています。

同会のメンバーは、下は50代~上は80代までの約20人で構成されています。

 

  

  

 

「そんな高齢の方々が餅を飲むなんて大丈夫なの!?」って思いますよね


時世、その心配、ごもっとも。

ですが、会のメンバーにそんなことを言ったら、「ほだなわげねべ!(そんなことがあるわけないだろ)」と一笑に付されることは疑いありません。

このパフォーマンス集団が「心配ご無用!」な秘けつは、小さい頃から餅を飲み続け、鍛えられてきた、生粋で選りすぐりのプロフェッショナルであることがひとつ。

そして、
飲む餅じたいも、普通のあんこもちや焼き餅などとは異なる特徴があるのです。

溝延地区に伝わる食文化「餅飲み」

その正体は、東北地方の人がよく食べる「なっともづ(納豆餅)」。
溝延地区や保存会における納豆餅のレシピは、餅のほかに

●納豆(大粒が望ましい)

●たっぷりの大根おろしの搾り汁

 (おろした大根の方は使わない!)

●かつお節

●きざみねぎ

●だししょう油

以上。

メンバーの皆さんが持参する「マイ大皿」の上で、これらの材料を各自なりの黄金比率でブレンドし、そこにお母さま方から餅を次々とリアルタイムでちぎってもらうわけです。

いくらプロ集団と言えど、あんこもちなどを噛むことなしに飲んではさすがに危険でしょう。
対して、納豆のネバネバと大根の搾り汁が潤滑油の役割を果たすことで、より飲みやすくなり「餅をのどごしで味わう」という独特の醍醐味が生まれるのです。


▼総会ではメンバー各自が「My大皿」を持参

マイ大皿は持参します

実は全国区


この非凡なる餅飲みのスタイルがマスコミの注目を浴び、平成8年には元旦のテレビ番組「
96元旦5時間生ワイド元旦日本一大賞」に生出演し、披露したことでその知名度が全国に広がりました。
以来、テレビや新聞に引っ張りだことなり、メディアへの出演も枚挙に暇がありません。

   

 

 

 

 

会の規約だって、相当ユニーク

 

溝延一升宝餅保存会 規約 (平成16年発行・井上忠作編「溝延の今昔」より)

 

一 名称、溝延一升宝餅保存会という。

二 会員、溝延在住者で、餅好きのものを以って会員とする。

三 役員、会には次の役員を置く。

  1会長一名、2副会長二名、3会計一名、4顧問若干名

四 新入会、新入会員は、会員二名以上の推薦を以ってする。

五 総会、年一回総会を開き、その日は餅をタラフク食べるものとする

六 罰則、次のものは、除名、又は謹慎とする

 (1)会費を支払わないもの。

 (2)餅を食べて、のどにつっかえ、会員に心配をかけた者

 (3)会の友好を害する言動のあった者。

 (4)餅の悪口を言った者

七 附則、この規約は平成二年二月八日に発会し、即日発効するものとする。

     この会の事務所は、時の会長宅に置く。

 

 

 

注※あくまでプロ集団だからこそできることですので、真似はしないでくださいね。念のため。

 

 

 

とにかく、百聞は一見にしかず!

動画でその餅飲みをご覧ください。